【ドイツ親子留学】芸術家としての滞在とカメラのお話

 

今回もベルリンで親子留学をされている方から

記事を寄稿していただきました。

実際に経験されている方のお話は

とても貴重です。

 

厳密には、芸術家ビザというのは存在しないのですが、

個人事業主、フリーランスの滞在許可の中に

アーティスト部門があり、

通称芸術家ビザ、アーティストビザと呼ばれています。

 

芸術家ビザ

 

親子留学を決意して渡航された場合、

語学ビザ・フリーランスビザ・就労ビザを取得される方も多いですが、

芸術家ビザを取得される方も少なくないと思います。

 

確かにベルリンでは芸術家に対するビザは

認められやすいのですが、

十分実績のない方がこれを利用して移住することに対しては、

厳しい視線が注がれることもあります。

 

ドイツを大切に思っておられる方ほどそうですので、

そのようなご意見にはしっかり耳を傾ける必要があります。

 

したがって、芸術家ビザを取得する場合は芸術家として

社会に認めてもらえるような実績を積むことが大切になりますし、

移住後も芸術活動を続けることが必要です。

 

カメラをお勧めする理由

 

1.活動の記録に

どのような分野の活動でも、

ビザを申請するときには内容を印刷して

外国人局の担当官に見せる必要があります。

写真は視覚的なものですから

翻訳の必要がなく、提出が簡単です。

理解されやすいので、活動記録を提出する際に重宝すると思います。

 

2.費用をかけずに習得できる

私自身はプロとして活動しておられる方に師事しましたが、

自力でも技術を習得することは可能です。

シャッターを切れば必ず何かは写りますし、

昔と違いデジタルなので何度でも練習でき、

トライし続けることでよい作品を生みだすことができます。

日本ではメーカーや販売店主催のセミナーも数多く開催されていますから、

それに参加することで無料あるいは格安で技術を習得することも可能です。

 

3.写真家としても活動可能に

ビザの申請の際に申告をしておくことで、

写真家としても活動できるようになります。

海外の写真は需要がある一方で供給は少ないため、

おすすめです。

 

お勧めのカメラは?

 

写真の善し悪しはカメラだけで決まるわけではありませんが、

撮れ方は機械に左右されます。

しかし、プロとして活動するのに

必ずしも高額な機種が必要なわけではありません。

私が師事した先生は10万円台の

ソニーのミラーレス一眼レフ(APS-C)だけで、

お花屋さんの広告からポートレートまで、幅広い分野でご活躍でした。

最近のカメラは画素数が大きいですから、

ある程度しっかりした一眼レフであれば

高額なフルサイズカメラでなくても

十分プロとして活動することができると思います。

ベルリンに持って来るという前提であれば、

お勧めはキヤノンか二コンの製品です。

市内の家電量販店で簡単に部品や付属品を

入手できるのがこの2つのメーカーだからです。

 

キヤノンは白、二コンは黒!?

 

キヤノンは日本の広告写真のような明るい写真の撮影が得意で、

ポートレートに向いています。

カノンと呼ばれ、ドイツでも親しまれています。

二コンは深みのある黒の撮影を得意としており、

リアリティのある写真を撮影できるため、

風景などの撮影に向いているように思います。

写真は修正可能ですし、

作品として出す場合には大抵レタッチをすると思いますが、

補正できる範囲には限界があります。

どのカメラを使うかは作品の雰囲気に大きく影響しますから、

購入前にしっかり検討することをお勧めします。

 

カメラは日本での購入がお勧め

 

カメラはベルリンでも購入できますし、

言語も日本語に設定することが可能です。

しかし日本で購入するより1~2割高くなりますので、

できるだけ日本で購入して持参した方がよいと思います。

成熟した中古カメラ市場があることも、

日本での購入をお勧めする理由です。

カメラもレンズも高価ですので、

信頼のおけるお店から中古で購入することは選択肢の1つです。

新品ではとても買えないフルサイズのカメラや望遠レンズも、

中古であれば手が届くということがありえるからです。

中古品の購入には信頼が重要ですが、

日本では大手カメラチェーンがメンテナンスのうえ販売していますから、

そのようなところで購入すると安心です。

 

レンズは?

 

カメラを購入すると、レンズも必要になります。

付属レンズのほかに、1つは単焦点レンズを持つことをお勧めします。

レンズは、本体のカメラのセンサーがAPS-Cでも

フルサイズでも使えるものと、

そうではないものがあります。

購入するときには慎重に検討しましょう。

その選択によって、

将来的に乗り換えられるカメラ(本体)の範囲も

決まってくることになるからです。

キヤノンEF50mmF1.8STMなどは

とりわけ有名な単焦点レンズで、

これがあるからキヤノンを使っているという方も多いと思います。

お手頃な価格のレンズですが

APS-Cにもフルサイズにも適合しており、

初心者でも簡単にきれいに背景をぼかすことができます。

 

領収書をもらっておきましょう

 

写真家ビザを取得した場合、

カメラやレンズなどの機材の購入費は控除対象になります。

確定申告の際に必要になりますから、

領収書はきちんと発行してもらい

(可能であれば英語で)、持参するとよいでしょう。

 

応募しましょう!

 

カメラを勉強しはじめると、

いろいろなところで写真のコンクールが

開催されていることに気がつかれると思います。

入賞作品が立派な冊子に掲載されるものもあります。

そのような実績が複数あると写真家としても認知され、

活動しやすくなると思いますので、おすすめです。     

Waka M.